インプラント
IMPLANT
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インプラントは本当に必要ですか?
インプラント治療は今では非常に有名になり、ほとんどの患者さんがインプラントの名前をご存じだと思います。
ですが実はインプラントは、歯を失った場合に行う治療の選択肢のひとつでしかありません。
歯がなくなった場合には、そのなくなった歯を人工の歯で補う必要があります。
例えば奥歯を失うと、その働きを前歯で負担することになり、奥歯の分まで前歯に負担がかかるため、次は前歯が失われていきます。
他にも、歯がなくなると、周囲の歯や反対の顎の歯がその隙間を埋めるように動いてきます。
すき間が埋まってしまうとそのままではそこに人工の歯を補うことが難しくなり、抜歯や矯正治療で対応しなくてはならなくなります。
歯を失ったまま放置すると?
歯が抜けたところを放置すると、失った歯と噛んでいた歯が伸びてきたり、隣の歯が倒れてきて噛み合わせが乱れてくる可能性があります。
- 歯がない部分の隣の歯が倒れてくる。
- 失った歯と噛んでいた歯がのびてくる。
- 歯並びが悪くなってくる。
- 歯のない部分の隣の歯に汚れがつきやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが増える。
- 歯が抜けた部分の骨や歯茎が痩せて、歯を補う治療を行うのがどんどん難しくなる。
- 発音がしにくくなる。
- 他の歯の負担が増え、歯の破折や歯周病悪化のリスクがある。
そうならないためにも、しっかり噛み合うように失った部分を補ってあげることが大切です。
この「歯を人口的に補う治療法」には大きく次の3種類があります。
- ブリッジ治療
- 入れ歯治療
- インプラント治療
失った歯を補う治療法のひとつでしかないインプラントが何故こうも有名になったのか。
この理由を皆さんにご紹介したいと思います。
インプラントをおすすめしたい2つの理由!
1
しっかりと強く噛めます!
インプラントは非常にしっかりと物が噛めます。
その噛み心地から「第二の永久歯」と呼ばれることもあります。
何故インプラントがそんなにも噛めるのかと言いますと、インプラントが本物の歯と同じ構造をしているからです。
本物の歯は、噛む部分(歯冠といいます)と根っこ(歯根といいます)からできていて、歯根がしっかりと歯冠を支え、強い力にも耐えられる作りになっています。
インプラントはと言いますと、かぶせもの(歯冠の代わりです)とインプラント(歯根の代わりです)からできています。
インプラントが本物の根っこと同じようにかぶせものを支えるので、しっかりと噛むことができるわけですね。
2
隣の歯に負担をかけません!
インプラントは本物の歯と同じ構造をしているので、インプラント1本で独立して歯(この場合はかぶせもの)を支えることができます。 一方、入れ歯やブリッジは、周囲の歯を削って固定したり、周囲の歯へ噛む力を分散することによって歯を支えます。 この影響で、周囲の歯を最終的に抜歯しなければならなくなる場合がありますが、インプラントにはありません。
他には次のようなメリットがあります。
インプラントのメリット
- 左右でバランスよく咬める
- 食物をおいしく味わえる
- 歯ごたえある食物の食感が楽しめる
- 発音が安定して会話を楽しめる
- 見映えよく仕上げることが可能
- 自信を持って笑うことができる
- 取り外す面倒がない
- 自分の歯にかかる負担が減って長持ちする
- インプラントはむし歯にならない
インプラントはメリットばかりではありません
ここまではインプラント治療の優れた点ばかりをご紹介してきましたが、何もインプラントは全てにおいて優れた治療というわけではありません。 ここではインプラントのデメリットについてご紹介したいと思います。
1
治療費が比較的高額です
インプラント治療は、ブリッジや入れ歯と比べると治療費が高額になる場合が多いです。
噛む部分だけを人口的に補うブリッジや入れ歯と違い、インプラント治療ではその下に人工の根っことなるインプラントを使うため、部品が多い分、単純に高額になりやすいです。
また、この人工歯根になるインプラントは、直接骨の中に固定するため、体の中に異物を入れることになります。
体の中に異物を入れる場合、もし仮にインプラントに細菌がついていると、そのまま細菌も体の中に入ってしまい、感染を起こします。
感染を起こすとお体の具合が悪くなるだけではなく、インプラント周囲の骨や歯ぐきも溶かしてしまう場合があり、最悪の場合、せっかく手術したインプラントを撤去しなくてはならなくなります。
このような事態にさせないためにもインプラントの滅菌管理は非常に重要で、滅菌に力を入れているインプラントメーカーのものは高額であることが多いです。
2
外科処置を伴います!
インプラントは顎の骨の中に人工の根っこを埋め込みます。 このため必ず外科手術を伴います。 外科手術には痛み、腫れ、出血、その他の合併症のリスクがあり、外科手術が苦手な方にも難しい選択肢となります。
3
治療期間が比較的長いです!
インプラントは、骨の中にインプラントを埋め込んだ後、インプラントが定着するまでに3~6ヶ月の期間を必要とします。 その間はお食事がしづらい場合があります。
4
インプラントは一生物ではありません!
これはよく勘違いされていることなのでしっかりと説明させていただきます。
インプラント手術を行ったからと言って、生涯そのインプラントを使い続けられるわけではありません。
加齢による骨の吸収、お口の中からインプラント周囲への細菌感染によって、いずれは脱落します。
きっちりとメインテナンスを行ったとして、おおよそ10年くらいのものとお考えください。
状態が極めてよいと20年という報告もあります。
インプラントを長持ちさせるにはメインテナンスがとても大切です。
メインテナンスのための定期通院へのご理解もよろしくお願いいたします。
他には次のようなデメリットがあります。
インプラントのデメリット
- 噛む感覚が自分の歯と違う
- 状況により見た目がご自身の歯と異なることもある
- 他の歯が抜けて義歯を入れる場合、インプラントに不用意にフックをかけるとインプラントにダメージが加わることがあるため、義歯のデザインが制限されることがある
- 食べ物が詰まりやすくなることがある
ブリッジや入れ歯との比較
ブリッジ、入れ歯、インプラントは、同じく失った歯を補うために行われる治療なので何かと比較されがちですが、「どの治療が1番!」というのはありません。 全て良い治療です。
ただ、それぞれに良いところと悪いところがありますので、そこをしっかり抑えていただいて、ご自身に最も適した治療を選んでいただければと思います。
ブリッジによる治療
両隣の歯を削り、型をとったあとに一塊の繋がった歯を入れる治療です。
メリット
- 取り外し式でない
- 比較的短期間で治療が終わる
- 保険適応内であれば治療費が比較的安価
- 噛む感触が自分の歯と近い
デメリット
- 隣の歯をたくさん削る
- 支える歯の負担が大きい
- たくさんの歯がなかったり奥に支える歯が無いとできない
取り外し可能な義歯による治療
いわゆる「入れ歯」で、隣の歯にフックをかけて人工の歯を補う治療です。必要によって隣の歯や他の歯を少し削り、型をとってつくります。
メリット
- 保険適応内の義歯は比較的安価
- 治療回数や期間が比較的短い
デメリット
- 取り外しが面倒
- 噛む力が弱い
- フックをかけた歯に負担がかかる
インプラント治療
歯が抜けたところの顎の骨に人工の歯の根を埋めて、それを土台にして歯をつくる治療です。
メリット
- ブリッジのように隣の歯を削る必要がない
- 義歯のように取り外しの面倒や口の中の違和感がない
- 残っている歯に対する負担が少ない
デメリット
- 保険適応外のため治療費が比較的高額
- 治療期間が長め
当院インプラント治療のおすすめポイント!
私は性格的に自己アピールや宣伝がとても苦手なのですが、ここではインプラントだけでなく、当院や私についてもしっかり宣伝せていただきたいと思います!
1
口腔外科出身の歯科医師です!
私、田中愼亮(しんすけと読みます、読みづらくてごめんなさい)は研修医時代より、口腔外科にて歯科治療を学んできました。 インプラント治療を含め、外科処置は得意とするところです。
2
滅菌に力を入れた高品質インプラントを使用しています!
先ほどもお話ししましたが、インプラント治療は「インプラントという異物」を体内に埋め込む手術です。 感染防止のため、インプラント自体を長持ちさせるため、インプラントの滅菌管理は非常に重要であると私は考えています。 当院ではストローマンという、滅菌管理をしっかり行っている、実績あるインプラントメーカーのものを使用しています。
3
安全を第一に考えてサージカルガイドを使用しています!
当院では患者さんの安全を第一に考え、ストローマンガイドという装置を使ってインプラント手術を行っています。
インプラント手術では、術前にCT(立体で骨の状態を見ることができるレントゲン)撮影を行い、重要な血管や神経を傷つけないようシミュレーションを繰り返します。
このガイド装置は、このシミュレーション通りに手術ができるよう作られた装置で、インプラント手術の安全性を高めることができます。
また、正確にインプラント手術を行うことで、結果的に上に取り付けるかぶせものも、より良い状態でお作りすることができます。
4
インプラント手術に必要な骨が足りない場合にも骨増量法(GBR法)を行っています!
インプラント治療では、まず顎の骨の中にインプラントを埋め込むことから始まります。
インプラントを埋め込むためには十分な骨がないと、インプラントを支えることができません。
骨が足りないとインプラント治療をお断りさせていただく場合もあるのですが、当院では骨増量法(GBR法)と呼ばれる骨を増やす治療も同時に行っています。
骨が足りない部分に人工骨の粉末を入れることで、骨の再生を促し、十分な骨ができた後にインプラント手術を行います。
上顎の骨が足りない場合には、上顎には上顎洞(蓄膿の際に膿が溜まる場所)という空洞があり、サイナスリフトと呼ばれる特殊な手術が必要になりますが、当院ではこのサイナスリフトも行っています。
インプラント治療の料金
おおよそ1本あたり¥300,000~となっています。
ホームページでも正確な料金をお伝えできればと思うのですが、インプラント治療では、かぶせものの材質やお口の中の状態によって治療費がかわってきます。
来院して実際にお口の中を見せていただけると正確な料金をお伝えすることができます。
もちろん、その後に再度検討していただいてもかまいません。
おおまかなお値段しかお伝えできませんが、参考にしてみてください。
料金 | |
---|---|
インプラント+かぶせもの | ¥300,000~ |
+骨増量法(GBR法) | ¥50,000~100,000 |
+サイナスリフト | ¥100,000 |
※ 現在、価格改定中につき、上記価格は参考価格です。
まとめ
インプラント治療はとてもよく噛めるようになる良い治療ですが、外科処置があり、治療費も高額です。
そのせいで興味はあるのに迷われている患者さんも多いのではないかと思います。
そのような場合には、まずはご相談だけうかがうこともできます。 詳しくメリット・デメリットを知っていただいて、その後に改めてご検討ください。
ご相談の際にレントゲンやCT撮影をお願いする場合があります(撮影は患者さんの同意をいただいた後に行います)。 その際には検査料が発生します。 あらかじめご了承ください。
皆さんのご相談をお待ちしております。